2012/01/06

長距離フライトでの機内での過ごし方

長時間飛行して目的地にチャクリ後、座席から立ち上がろうとすると、胸が苦しくなって倒れてしまうことがあります。これは旅行者血栓症という病気で、座り続けている間に太腿の付け根や膝の裏側にできた血の塊(深部静脈血栓)が、歩き始めると血流に乗って肺に流れていき、肺の血管を詰まらせるものです。

呼吸困難から死に至ることもあり、飛行機のエコノミークラスの乗客に症状が多く出たことから、「エコノミークラス症候群」と呼ばれています。しかし、座席のクラスに関係なく、また飛行機内だけで起こる病気でもありません。同じ姿勢で長時間過ごす、乾燥した室内などの条件が揃えば、列車や自動車の中、劇場、オフィスでも起こる危険性があります。

原因の1つが、機内の乾燥にあるので、水分の補給が大切です。ただしアルコール類やコーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインの入った飲み物には利尿作用があるので、水分を輩出してしまいます。ミネラルウォーターやスポーツドリンクのほうが効果的です。

また、座ったままでも、足の指を動かしたり、つま先やかかとを上下したりする運動を、1時間ごとに3~4分行うようにします。通路を歩くのも良いでしょう。体を締め付けるような服装は避け、リラックスして過ごすのも予防になります。

着ないで膝の裏側や太股が張って痛みを感じたら、着陸しても席を立たずに客室乗務員を呼びましょう。席を立ったときに、旨の苦しさや呼吸がしにくいようなら病院へ行く必要があります。